プレス成形以外の粉末成形方法をご紹介します。粉末成形には、プレス成形のほかに鋳込成形、押出成形、射出成形といった3種類の方法が用いられています。それぞれの方法、メリットやデメリットをご紹介します。
セラミックスの鋳込成形の概要と、メリットとデメリットについてご説明します。
鋳込成形では、石膏などで作られた鋳型に、セラミックスの原料粉体に水などの溶媒を加えて泥状にしたスラリーを流し込みます。スラリーの水分が毛細管現象によって型に吸い取られると、型の表面にセラミックスの堆積層が形成されて、成形体となります。
鋳込成形は、薄肉中空の成形体の製造に適した方法です。大量生産に向いていますが、石膏型は金型に比べて安価で、修正も容易なため、少量生産にも対応可能。型の毛細管現象を利用するため、大型で肉厚の成形には向いていません。
セラミックスの成形方法のひとつである押出成形の仕組みやメリット・デメリットをご紹介します。併せて、ほかの成形方法との比較も行いました。
押出成形は、原料粉末とバインダー、水分を混錬したコンパウンドに圧力をかけ、口金を通して押し出すことによって成形を行う方法です。成形体は、柱状やパイプ状となります。
押出成形では、千歳飴のような同一断面の成形体しか作れませんが、ほかの成形方法が苦手とする長尺の成形が可能です。金型が必要なため、大量生産向きの成形方法となります。
セラミックスの射出成形の概要と、メリットやデメリットをお伝えします。併せて、ほかのセラミック成形方法との比較も行っています。
射出成形では、セラミックスの原料粉末にバインダーと水分を加えたコンパウンドを、樹脂の融点以上に加熱。溶融したコンパウンドに圧力をかけて金型内に射出・充填し、冷却して固化させます。金型を使うため、大量生産に適した成形方法となります。
射出成形には寸法精度が高い、複雑形状に対応できるという強みがありますが、混合されるバインダーの割合が大きいため、脱脂に時間がかかります。
セラミックスの射出成形とは?
概要とメリット・デメリットを解説