粉末の磁石を成形する磁場プレス機について、特徴や種類など見ていきましょう。
磁場プレス機は、磁石を製造する際に用いられる特殊な粉末成形機で、材料となる磁石粉末を強い磁場の中で成形します。
これは特に「異方性磁石」と呼ばれる、磁力の向きが一定方向に揃っている磁石を作るために不可欠な技術です。フェライト磁石や希土類磁石といった、高性能な焼結磁石の製造工程で磁場プレス機は使用されています。
まず磁石の原料となる合金を細かく粉砕して粉末状にし、それを専用の金型に充填・密閉します。その後、粉末がまだ自由に動ける状態のうちに磁場をかけ、各粒子の向きを特定の方向に揃えます。
このように磁場によって方向が揃った状態で、さらに高圧をかけて成形することで、磁力の方向が整った異方性磁石を作り出すことができるのです。
磁場プレス機には大きく分けて二つの方式があります。ひとつは「平行磁場プレス」と呼ばれるもので、粉末の圧縮方向と磁場をかける方向が同じ方式です。もうひとつは「直角磁場プレス」または「垂直磁場プレス」と呼ばれる方式で、プレスの圧縮方向と磁場の方向が直角になります。
一般的に、平行磁場プレスでは、磁場で揃えた粉末の向きがプレス時に若干崩れるため、最終的な磁石の性能(特に残留磁束密度=Br値)は直角磁場プレスに比べてやや劣る傾向があります。
磁場プレス機は、圧力をどのように伝えるかという方式によって「油圧成形機」と「機械式成形機」に大別されます。油圧成形機は油圧を用いて安定的かつ高精度に力を加えることができる点が特徴。機械式成形機は機械的な構造により動作するため、シンプルでメンテナンス性に優れるといった利点があります。
そのほか、日本電磁測器が提供する磁場プレス装置の「RIP自動装置」なども挙げられます。RIP法は、金型プレス法と静水圧成形法という二つの異なる成形法の利点を組み合わせており、金型を用いた形状の自由度と、静水圧による均一な圧力伝達という特性を融合させた方法です。
複雑な形状や大きさの異なる圧粉体を一貫して成形することが可能なほか、専用金型のコストが比較的低く抑えられる点などが特徴です。
森鉄工は、磁場プレス機を取り扱っているメーカーのひとつです。
扱っている製品として、スラリー状の原料を金型に注入し、磁界の中で加圧・脱水しながら成形する「湿式磁場粉末成形プレス」や、セラミック粉末や金属粉末にも対応できる「乾式粉末成形プレス」も取り扱っています。
製品づくりにおいては、品質保証課を中心とした徹底した品質管理を行っており、顧客のニーズにしっかりと応えることを大切にしています。
引用元HP:三庄インダストリー公式HP
(http://www.sanshoindy.com/)
引用元HP:小林工業公式HP
(https://www.kobayashi-akita.co.jp/)
引用元HP:タナカカメ公式HP
(https://www.came.co.jp/)