精度の高い製品を大量生産できる粉末プレス成形には、金属やセラミックス、薬や食品といったさまざまな材料が使用されています。それぞれの材料でどのような製品が製造されているのかをご紹介します。
金属粉末を使用したプレス成形品は、自動車部品をはじめ、産業機械部品、電気機械関連部品として多く使用されています。特に強度が求められる部位においては、高強度材を使用するだけでなく、浸炭焼入れや高周波焼入れなどが施される場合があります。
製品内部に気孔を持つ粉末プレス成形品の特性を活かし、潤滑油を染み込ませた含油軸受は、自動車のエンジン部品や家電製品などのモーターの軸受に使用されています。他にも、金属のプレス成形品の代表例として、可変バルブタイミング機構部品(ロータ、ハウジング、スプロケット)をはじめとしたエンジン部品や、ロータやカムリングといったパワーステアリング部品、オイルポンプ部品などが挙げられます。
強度が高く、絶縁性、耐食性、耐摩耗性に優れたセラミックスは、電子部品や機械部品、工具などに多く使用される素材です。絶縁ワッシャーをはじめ、ネジやボルト、スペーサーや数珠碍子などは、粉末プレス成形を用いたセラミックス製品の代表例といえるでしょう。
また、ジルコニアセラミックスの粉末プレス成形品は、歯科用のクラウンなどにも活用されています。
粉末プレス成形は、薬のタブレット(錠剤)の製造にも使用されています。錠剤は、原薬に水分や結合剤を混ぜて練合し、造粒工程を経て顆粒状にした後、プレス成形機によって打錠されています。
粉末や顆粒状では苦味が強く服用しづらい医薬品も、錠剤にすることで飲みやすくなります。錠剤は口中や体内で溶けるものなので、強度を高める必要はありませんが、必要に応じてコーティングなどを施します。
ミントやラムネ、塩タブレットをはじめとしたタブレット状のお菓子を錠菓と呼びますが、錠菓の製造にも粉末プレス成形が用いられます。また、栄養補助食品(サプリメント)のタブレットも、食材の粉末をプレス成形することで製造されています。
粉末プレスでの成形は可能ですが、現在では「粉末射出成形」で主に製造されています。複雑な形状をした部品であっても、スムーズに大量生産できるようになります。粉末成形では、「回転成形」と「流動浸漬成形」の2つに分けられます。
日焼け止めやパウダーファンデーションなどの化粧品を製造するにあたり、粉末成形では高い技術が求められます。ひび割れの起こりやすさなど品質に大きな影響を受けやすい、化粧品製造に対応した粉末成形機械の対応企業を見てみましょう。
カーボンは、超軽量・高強度・高耐熱性などの優れた性質を持つ材料です。また、加工しやすいのもポイントで、カーボンファイバーやグラファイト、カーボンナノチューブなどさまざまな製品に活用されているでしょう。カーボンに対応した粉末成形機械について見てみましょう。
ガラスは粉末にして成形し、航空宇宙技術や科学研究など幅広い分野で活用されています。成形の自由度が高いため汎用性に優れており、複雑な形状の加工も可能です。自動車エンジンの部品や歯車などにも利用されています。
磁性材料は、金属材料の中でも磁気的な性質を有するものを指します。強磁性体とも呼ばれており、磁石や磁気ディスクなどさまざまな製品に活用可能です。磁性材料に関する基礎知識と、対応する粉末プレス機について見ていきましょう。
廃材をチップ状にして成形するファイバーボードのほか、粉体にして添加・成形することでより環境に優しい素材とするウッドプラスチックなどに使用されています。成形材として使われる木材について調査してみました。
引用元HP:三庄インダストリー公式HP
(http://www.sanshoindy.com/)
引用元HP:小林工業公式HP
(https://www.kobayashi-akita.co.jp/)
引用元HP:タナカカメ公式HP
(https://www.came.co.jp/)