高品質で安定した製品を生み出すためには、まず目標とする面圧を定め、そこから必要な加圧力を導き出すというプロセスが極めて重要になります。
面圧とは、プレスされる材料の表面にかかる単位面積あたりの力(圧力)を指します。計算式としては「プレス成形荷重÷成形面積」で表され、単位は一般的にMPa(メガパスカル)が用いられます。
粉末プレス成形の目的は、粉末材料に均一な圧力をかけて目標とする形状や密度にすることです。もし加圧力だけを基準にしてしまうと、成形する製品の面積によって、実際にかかる圧力は大きく変動してしまいます。例えば、同じ10kNの力で加圧しても、面積が小さい製品には高い圧力がかかり、面積が大きい製品には低い圧力しかかからず、品質が安定しません。
そこで重要になるのが面圧です。成形したい製品に必要な単位面積あたりの圧力(面圧)を基準にすることで、製品のサイズが変わっても常に同じ条件で加圧でき、品質の均一性を保ちやすくなります。面圧計算を行うことで、安定した生産が行いやすくなるのです。
加圧力とは、プレス機がワーク(成形品)を押し固めるために発生させる力そのものの大きさを示します。これはプレス機の能力を示す値であり、単位としてはkN(キロニュートン)やtonf(トン重)が使われます。面圧が「製品にどれだけの圧力がかかっているか」を示すのに対し、プレス成形荷重は「プレス機がどれだけの力を出しているか」を示す値といえます。
面圧、加圧力、そして成形面積の関係は、以下の式で表すことができます。この式を理解することがプレス 面圧計算の基本です。
必要な加圧力 F [kN] = 目標とする面圧 P [MPa] × 成形品の面積 S [cm²] ÷ 10
この計算式を用いることで、作りたい製品に必要なプレス機の力を割り出すことが可能になります。
直径40mmの円柱状の成形品に100MPaの面圧をかけたい場合の、必要な加圧力を計算すると以下のようになります。
まず成形品の面積を求めます。直径40mmは半径2cmなので、面積は「半径(2cm) × 半径(2cm) × 3.14 = 12.56cm²」となります。
次に、この面積と目標の面圧を先ほどの計算式に当てはめます。
必要な加圧力(kN) = 100(MPa) × 12.56(cm²) ÷ 10 = 125.6 kN
この計算により、直径40mmの製品に100MPaの面圧をかけるためには、プレス機で125.6kNの力を加える必要があることが分かります。
多くのプレス機に搭載されている圧力計の表示単位はMPaです。しかし、この値は製品にかかる面圧ではなく、プレス機を動かすための「油圧の吐出圧力」を示しています。つまり、シリンダーを押し出すための油の圧力であり、製品に直接かかっている圧力の値ではありません。
油圧計の値を製品にかけるべき面圧だと勘違いして設定してしまうと、粉末成形用の金型が耐えきれずに割れてしまうなど、トラブルが発生するリスクが高くなります。そのため、面圧計算による加圧力の設定が重要とされているのです。
粉末プレス成形機のメーカーによって、ゲージにMPaと荷重(kN)が併記されている場合があります。都度計算を行うのが難しい場合、荷重(kN)が記載されているプレス成形機メーカーの製品を導入を行ってもよいでしょう。
引用元HP:三庄インダストリー公式HP
(http://www.sanshoindy.com/)
引用元HP:小林工業公式HP
(https://www.kobayashi-akita.co.jp/)
引用元HP:大伸機工公式HP
(https://daishin-kikou.com/)