CIP(冷間等方圧加圧法)の特徴やCIP成形の種類、金型プレスとの違い、CIP成形ができる材料などについて紹介します。
CIPとは材料の加工方法のひとつで、「Cold Isostatic Pressing(冷間等方圧加工法)」の頭文字を取ったものです。フランスの科学者が提案した「密閉された流体の一部に加えられた圧力はその強さを変えず、流体の各部分に伝達される」というパスカルの原理を応用しています。
粉末材料を変形抵抗の少ない成形モールドの中に密封し液体を加えることによって、生形体表面は液体に等しい加圧力を受けて圧縮成形されます。全方向に均一に圧力がかかるため、密度が均一で高品質な製品を得ることが可能です。CIPは、他の方法では製造できない比較的大型で複雑な形状のコンポーネントに適しています。また、熱に弱い材料にも向いています。
湿式法とは、成形モールドに高圧容器の外で粉体を充填して密封した後、高圧容器内の圧力媒体中に直接浸漬させ、成形モールドの外面に等方圧を作用させて成形する方法のことです。複雑形状や大型製品の多品種少量生産、試作研究などに適しています。
機構的には、高圧容器内に外部から圧力媒体を押込んで圧縮加圧する外部昇圧式と、上蓋の代わりにピストンを設けて高圧容器内にピストンによって高圧容器内の圧力媒体を直接圧力加工するピストン直圧式があります。
乾式法は、圧力媒体をシールするために組み込んだ加圧ゴム型を介して高圧容器内部に圧力を伝え、成形ゴム型内部に充填された粉体を成形する方法です。省力化や自動化が容易に行えるため、単純形状の少品種多量生産に適しています。
圧力の作用する方向により、周・軸加圧法式と周加圧式との2種類があります。周・軸加圧方式は、帽子状の加圧ゴム型を用いて成形ゴム型の外周面法線方向と上面軸方向から加圧し、成形体にほぼ等方的に圧力を作用させることが可能です。
一方、周加圧方式は円筒状の加圧ゴム型が使用されます。成形ゴム型の外周面法線方向のみの加圧ですが、粉体の流体的な性質を利用することで成形体に等方的な圧力を作用させることが可能です。
CIPと金型プレスの違いは、圧力の加え方です。CIPは液圧を利用して被処理体に等方圧を加えます。金属との摩擦がなく等方的に圧力が作用するため、密度が均一で方向性の少ない成形体を得ることができます。
一方、金属プレスは基本的に一軸方向からのみしか圧力を加えることはできません。どちらを使用するかは、製品の要件によって異なります。
セラミックスは、高温に弱くて焼結時に収縮や変形が起こりやすいです。CIP成形はセラミック製品に適していて、成形後に焼結を行えば高精度で均一な部品が得られます。その応用範囲は、電子部品やエンジン部品など多岐にわたります。
金属粉末にもCIP成形は活用されます。小さな金属粉末を均一な形状に圧縮することで、一貫した品質や精度を実現。特に複雑な形状の部品やフィルター、カタリストキャリアなど多孔質金属の製造に役立っています。
軽量で高強度のCFRPは航空宇宙や自動車産業での需要が高く、成形精度が求められます。CIP成形を用いれば、複雑な形状や寸法公差の厳しい部品の製造が可能です。
もしも、粉末成形の実施を検討しているのであれば、信頼できる会社に相談すると良いでしょう。TOPページでは粉末成形機メーカーの中から、それぞれ特徴の違った3社を紹介しています。ぜひ導入の際のご参考にしてください。
引用元HP:三庄インダストリー公式HP
(http://www.sanshoindy.com/)
引用元HP:小林工業公式HP
(https://www.kobayashi-akita.co.jp/)
引用元HP:タナカカメ公式HP
(https://www.came.co.jp/)