ここでは、粉末材料のうち「磁性材料」について、特徴や用途などをまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
磁性材料とは、強磁性の性質を有する材料を指します。磁石に引き寄せられる性質があり、磁場を取り去っても磁化を持つのが特徴です。なお、「強磁性」といっても磁化の大きさは関係なく、小さくとも磁化を測定できれば強磁性材料と呼ばれます。
強磁性以外にも、磁場を受けて磁化を有する「常磁性」や、磁場と逆方向に磁化をもつ「反磁性」といった材料も存在します。これらの材料は、電気自動車や自然エネルギーを活用した発電などに活用されています。
硬磁性材料とは、永久磁石として高い保磁力を有する材料です。外部磁化を取り去っても磁化が多く残るのが特徴で、磁石やネオジム磁石、フェライト磁石などがこれに該当します。硬磁性材料は、IPMモータやMRI、磁気記録の塗膜などに使用されています。また、ハードディスクドライブにおける円盤にも採用されています。
軟磁性体は、磁化しやすく元にも戻りやすい性質を持つ物質を指します。磁場を取り払うと磁化がほとんど残らない、磁界の変化に追従する材料で、鉄やニッケルなどが該当するでしょう。軟磁性材料は、小さな磁場で大きく磁化されるうえ容易に反転するのが好ましい、トランス(変圧器)や磁気シールド、モータなどに使用されることが多いです。
数ある磁性材料のうち「フェライト」と呼ばれる物質は、硬磁性と軟磁性の両タイプに分けられるのが特徴です。永久磁石となるのは「ハードフェライト」、トランスコアなどに使用されるものは「ソフトフェライト」に分類されます。
金属系磁性材料は電流をスムーズに通しますが、フェライトは抵抗値が高いためほとんど電流を流しません。なぜなら、フェライトは主成分に酸化鉄を使用しているからです。そのため、高周波利用の機器によく採用されています。
磁性材料は、自動車の部品に利用されるケースが多いです。例えば、電気自動車やハイブリッドカーのモータには永久磁石が使われており、エネルギー変換の効率化や燃費向上、排出ガスの削減などの効果が期待できます。また、アクチュエータやセンサーなど、安全性や快適性をつかさどる機器にも利用されています。
自動車業界だけでなく、エレクトロニクス分野でも重視されている磁性材料。主な用途はデータを保存するハードディスクドライブやメモリなどで、記録密度の向上や保存効率アップなどが図れるのが特徴です。電磁誘導における効率アップのために、無線通信機器でも採用されています。
さらに、近年では医療分野でも磁性材料が活躍しています。具体的に、MRIでは高精度なスキャンを実現するために、超伝導磁石が使用されています。磁性ナノ粒子はガン治療の分野で研究が進められており、将来的にナノテクノロジーを活用した治療精度の向上が期待できます。
サーボモータによる油圧ポンプの直接駆動を採用しており、従来の油圧システムよりも高い省エネ効果が期待できます。