粉末のプレス成形機の構造を簡単にご紹介します。パンチやダイプレートといった金型のパーツ、金型をプレス機に固定するダイセットなど、構造とそれぞれの用途を理解することが、プレス成形機選定の第一歩です。
パンチは、ダイ(雌型)に充填された粉体の被加工材を加圧するパーツで、雄型とも呼ばれます。パンチは、受けとなるダイと必ずセットで使用されます。パンチとダイの関係は、ネジとネジ穴の関係と同じと考えるといいでしょう。
「上パンチ」は、上下1対のパンチのうち、上方から加圧するパーツを指します。上下のパンチによって加圧・圧縮する方法を、両軸成形と呼びます。
ダイセットは、金型をプレス機に固定するためのユニットで、パンチプレートやダイプレートを固定する上下の保持部と、芯合わせのためのガイドポストで構成されています。
金型は、粉体の被加工材を上下から加圧するパンチ(雄型)と、パンチの受けとなるダイ(雌型)といった刃部と、それらを固定するためのパンチプレートやダイプレートで構成されています。
この金型の、パンチとダイがきちんと噛み合うように固定するのが、ダイセットです。ダイセットで正確な位置合わせを行うことによって、高精度なプレス加工が可能になります。
ダイプレートは、ダイ(雌型)を保持するプレートで、プレス時にダイの破損を防ぐ働きがあります。ダイプレートには、ダイと一体化したものもあれば、入子式になっているものもあります。
単に「ダイ」といった場合、雌型ではなく金型全体を指すことがありますが、ダイプレートといった場合はパンチの受けである雌型を構成するプレートを意味します。
下パンチは、ダイに充填された粉体の被加工材を下方から加圧するパーツで、上パンチと対になっています。
粉体を金型成形する場合は、ダイに充填された被加工材を上下から加圧する両軸成形が採られることがほとんどです。というのも、粉体を一方から加圧すると、ダイ内壁との摩擦によって粉体内の圧力に差異が生じ、成形体の密度を均一に保つのが困難になるからです。
成形体の密度が均一になっていないと、焼結時にクラックが発生するのなどの問題が発生しやすくなりますが、上下から同時に加圧することでこのリスクを低減することが可能です。
粉末のプレス成形機の構造をご紹介しました。構造以外にも粉末プレス成形のメリット・デメリットを知りたい方は下記ページをご参考ください。
実際に、粉末成形の実施を検討しているのであれば、信頼できる会社に相談すると良いでしょう。TOPページでは粉末成形機メーカーの中から、それぞれ特徴の違った3社を紹介しています。ぜひ導入の際のご参考にしてください。