粉末プレス成形で押さえておくべきメリットとデメリットをご紹介します。粉末プレス成形はメリットの大きい優れた加工方法ですが、デメリットもあります。粉末プレス成形が適した製品と向かない製品を把握しておきましょう。
粉末プレス成形には、精度の高い成形体が得られるという特徴があります。被加工材の粉末は、圧縮されるに従って金型に密着していくため、寸法精度の高い成形体が造られるためです。成形体の精度が高いことで焼結後に切削する必要がなくなり、原料も無駄なく使えます。
融点が高い金属など、鋳造が難しい金属の加工も、粉末プレス成形であれば容易に行えます。成形体の焼結は、融点より低い温度で行われます。
粉末プレス成形では成形体の精度が高いため、機械加工の工程を省略できます。そのため、切削が難しい金属であっても精度の高い加工が可能となります。
粉末プレス成形は、大量生産に適した加工方法です。プレスと焼結のみで完結し、機械加工の工程を大きく省略できるため、高精度な製品を大量に製造することが可能です。
粉末プレス成形品は気孔を含むため、鋳造品などと比較すると軽量になります。そのため、パーツの重量が抑えられ、省エネに貢献します。
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粉末成形のプロに届く
粉末成形の悩み・受託事例
三庄インダストリー株式会社
代表取締役社長 山本努氏
粉末成形は粉末の粒度によっても成形の細かな数値が変わるなど非常に難しい成形方法です。ここでは受託で粉末成形を行い、たくさんの粉末成形のノウハウを持つ現場の方にお悩み解決方法を聞いてみました。
粉末プレス成形は金型による加工のため、製造できるパーツの大きさには限界があります。大きなパーツ、肉厚なパーツは、プレス時に密度の偏りが生じる可能性があり、また、焼結時に収縮する可能性もあるため、精度を保つのが困難になります。
金属は、塊で購入するより粉末で購入する方が割高になる傾向があります。そのため、金属の粉末を使用する粉末プレス成形では、原材料が割高になります。
粉末プレス成形品は気孔を含むため、密度は真密度より低くなります。そのため、高強度が求められるパーツには向いていません。
粉末プレス成形品を行うには、金型を製作する必要があります。そのため、大量生産には適していますが、小ロット生産では費用がかさむため実際的とはいえません。
また、粉末成形で「成形した製品の強度が足らない、割れてしまうなど、製品の不良品率が高い。」といった声があがることもあります。
粉末成形では、粉末ごとに成形法に微妙な変化をつけなければいけません。
下記ページでは、粉末成形の歩留まりの改善のために、不良品が発生するよくある原因を粉末成形機メーカーの代表に伺いました。 ぜひご参考ください。
粉末プレス成形は、比較的小型のパーツを高精度で大量生産することに長けた加工方法です。鋳造や切削が難しい金属であっても、粉末プレス成形を用いることで容易に加工できます。
反面、大型のパーツや高強度が求められるパーツには向いておらず、金型を製作する必要があることから小ロット生産にも適していません。
焼結後に機械加工を行う必要がないため、原材料を無駄なく使うことができますが、粉末の金属は塊状のものより価格が高いことも、押さえておく必要があるでしょう。
粉末成形の実施を検討しているのであれば、信頼できる会社に相談して決めるべきです。TOPページでは公式HP上で機器スペックを確認できる粉末成形機メーカーの中から、それぞれ特徴の違った3社を紹介しています。ぜひ導入の際のご参考にしてください。