セラミックスの成形方法のひとつ、押出成形の仕組みや、メリットとデメリットをご紹介します。ほかの成形方法との比較も行っていますので、成形方法を選択する際の参考にしていただければ幸いです。
押出成形では、原料のセラミック粉末にバインダーや水を混錬し、金型(口金)を通して押し出すことで成形を行います。長さは自由に決められますが、押し出された成形体はどこを切っても同じ千歳飴のような形状となります。
押出成形で使用されるセラミックスは、主としてアルミナやジルコニアのほか、窒化ケイ素、窒化アルミです。
押出成形では、同一断面であれば、中空やハニカム構造、シート状などさまざまな形状に対応可能です。
押出成形では、押し出された瞬間に成形が完了しています。成形体をカットする作業は必要ですが、生産性が高く大量生産に向いている手法といえます。
押出成形は、ところてんのように原料を押し出す際に金型を通す手法なので、同一断面の製品にのみ対応しています。
押出成形は、金型を使用する成形方法のため、金型を製作するコストとリードタイムが必要となり、修正にも費用と時間がかかります。
押出成形とプレス成形では、得意とする形状が異なります。
柱状・パイプ状の成形は押出成形、ブロック状・複雑形状の成形はプレス成形を行います。いずれの手法も大量生産に適しており、金型を使用するため初期費用とリードタイムが必要となります。
押出成形が鋳込成形より有利な点は生産性、不利な点は初期費用とリードタイムです。
押し出された瞬間に成形がほぼ完了している押出成形は、鋳込成形より高い生産性を持っています。反面、金型を使う成形方法のため、金型を製作する費用と時間が必要となります。
柱状・パイプ状の製品を連続的に成形する押出成形に対して、射出成形は金型に原料を充填・固化させる成形方法です。二つの手法は、それぞれ異なる形状に対応しています。いずれも大量生産に適しており、金型を製作する初期費用とリードタイムを必要としています。
押出成形は、原料となるセラミック粉末にバインダーや水を混錬し、口金から押し出す成形方法です。成形体の形状は柱状やパイプ状といった同一断面のものになりますが、ハニカム型など複雑な構造のものにも対応可能です。
連続的に成形を行う押出成形は、ほかの成形方法とは異なる特色を持つため、目的の形状に合わせて成形方法を選択する必要があります。