錠剤のメリット、粉末成形の注意点、打錠機やメーカーを含めてご紹介。粉末成形ができる素材についての知識を深めていきましょう。
錠剤は持ち運びやすく、保管も長期間できるものも多いです。粉ではなく固形物のため、含有量を均一にでき用量がわかりやすいのもメリットでしょう。苦みを抑えるコーティングや、段階的に溶けて、効果を高めたり副作用を軽減したりできる工夫もされています。
たとえば、飲みやすさのコーティングでは砂糖で覆う糖衣錠やフィルムコーティング錠が一般的です。胃ではなく腸で溶けるようにしたものや効果を長時間持続できるものもあります。
打錠機のデメリットは連続的な打錠により、内部密度のばらつきや内部構造が均一化しないというリスクが挙げられます。他の錠剤の不良原因として、外側の密度が低い、金型に摩耗によるキズや欠けなどの問題も挙げられます。
錠剤は外観や内部不良があると、保存状態に悪影響を与えて品質特性を損なう、品質の劣化が早まるケースがあります。信頼性や安全性を損ねるリスクがあるため、製造時に注意が必要です。
打錠工程で錠剤に不良や不具合が発生することを打錠障害と呼びます。打錠障害が発生すると、結合剤が不足による錠剤の上下面の剥離、錠剤の中間部が剥離するなどの問題が現れます。
他にも、杵の接触面で材料の一部が付着して剥離するスティッキングや、錠剤に斑状の剥がれが発生するピッキングなども打錠障害として挙げられます。
品質特性異常にも注意が必要です。分布が均一ではないことで、硬度が柔らかくなる、逆に硬度が上がり薬の崩壊性が低下する現象が起きます。品質特性異常が起きると、服用して消化管の中で崩壊するタイミングが想定よりずれてしまい、薬の吸収が早くなる、遅くなるなど狙った効果を得られなくなる場合があるのです。
一般的に薬は「打錠機」で成形されます。金型のあるプレス機の一種で、成形のスピードが早い回転式が主に用いられます。プレス成形する流れは、粉末状成分を自動計算して、固定金型の臼の穴に入れて、杵と呼ばれる金型により上下から材料を加圧して錠剤に成形されます。
内服薬のほか、キャンディーやガムのようなお菓子類や、洗浄剤や磁石や電池や触媒まで多種多様な用途で使われています。中には単層構造以外の、2層、3層や特殊形状に対応できるものまで幅広く活用されています。
打錠機は大きく分けて、単発打錠機とロータリー(回転式)打錠機の2つに分けられます。単発打錠機は上下一組の杵、臼の中に入れた粉を圧縮して成形する仕組みです。多品種少量生産や研究用に採用されます。ロータリー打錠機は大量生産用です。水平回転をするターンテーブルの外周に臼が等間隔に埋め込まれています。ターンテーブルが回転すると、粉体の充填や圧縮や排出まで、連続的に行うのが特徴です。種類として多点圧縮型、多段圧縮型、傾斜ロール型などがあります。
医薬品の打錠機メーカーとして創業し、固形加工する生成機をメインに生産をしています。日常用品から電子部品まで幅広く取り扱っており、技術と生産力の向上を目指す企業です。ニーズに応えられる機器性能と台数の安定供給を使命としています。
医薬品、食品向け、大量中規模、少量生産、研究開発向けの打錠機を多数取り扱っているのも強み。「AQUARIUS G-J」などの打錠機を主に扱っています。製品の切り替え時間を短縮と、メンテナンス性向上の両立を目指した打錠機です。
参照元:株式会社菊水製作所(http://jp.kikusui.com/ja/top.html)医薬品錠剤をはじめ、電池や樹脂や食品まで、さまざまな粉体を形にできる打錠機を取り扱っています。「打錠機の歴史はHATAの歴史」「次代の領域を独走する」ことをモットーとし、技術開発や商品開発を行っている企業です。
「DPユニット(定量供給式攪拌フィーダ)、錠重量制御装置(APCON-PD)、などの製品を扱っています。新世代モデルとしてNT1-MSという、高速、高圧打錠ができる打錠機を開発。フラップ&スイング式開閉ドア、実装部品のユニット化などを備えた打錠機です。
参照元:株式会社畑鐵工所(http://www.hata-iw.co.jp/technology/index.html)医薬品や粉粒体製造の研究開発、生産技術により、人々の健康と生活品質の向上に貢献することをミッションとして掲げています。北海道から沖縄まで拠点があり、食品、科学、電池まで対応できる機器を取り扱っていることが特徴です。
打錠機では、ドイツFETTE社の機器を取り扱っています。たとえば、FEシリーズではスピーディな回転盤交換、歩留まり最大化と製品ロス最小化を目指した機器です。タッチパネル操作盤をによる操作性向上も行っている点も特徴といえるでしょう。
参照元:株式会社パウレック(https://www.powrex.co.jp/)
引用元HP:三庄インダストリー公式HP
(http://www.sanshoindy.com/)
引用元HP:小林工業公式HP
(https://www.kobayashi-akita.co.jp/)
引用元HP:タナカカメ公式HP
(https://www.came.co.jp/)