粉末成形の素材として木材がどのように用いられているか、素材や加工の流れなどを調査してみました。
木材の粉末成形では、まず木材を粉末状に加工し、それを特定の形状に圧縮することで成形されます。
これまで木材を使ったプレス成形といえばMDFなどのファイバーボードが主流であり、接着剤を添加し圧熱プレスで成形する乾式製法が用いられています。
さらに近年では木粉を使用したウッドプラスチックの研究が行われており、通常の樹脂製品の代替品として期待されています。
ウッドプラスチックは、木材とプラスチックを混ぜて成形する素材の一種です。廃材となる木材繊維とプラスチックを原料とすることで、リサイクルによる資源活用とCO2削減を目的として使用されています。
腐らない木材としてウッドデッキの素材や公園施設の素材として用いられていますが、成形時に発生するガスによる作業員への負担や成形機の腐食などが懸念とされてきました。
こうした問題への対策として、木材粉末を添加しプラスチックの使用を極力押さえたウッドプラスチックの製造・普及が進められています。
木材粉末を圧縮すると、粒子間の隙間が物理的に減少し、粉末が密着することで固形化が始まります。圧縮力を高めることで、粒子間の摩擦や噛み合わせによって密度が高く、強度のある固形体が形成されるのです。
木材にはリグニンという天然の樹脂成分が含まれています。リグニンは加熱すると熱可塑性を示し、柔らかくなる特性があります。圧縮成形の過程で熱を加えると、リグニンが溶融し、粒子間に広がって接着剤のような役割を果たします。その後、冷却されることで固化し、粒子同士を強固に結びつけます。
木材粉末にはセルロースやヘミセルロースも含まれており、これらが固形化に寄与します。セルロースは結晶性が高く強靭な構造を持っているため、圧縮された木材粉末の強度を支える骨格となります。ヘミセルロースは水分を吸収しやすく、適度な加湿や加熱条件下でリグニンとともに接着効果を高める働きをします。
ウッドプラスチックはは木材の自然な外観とプラスチックの耐久性や耐水性を兼ね備えているため、特定の環境や条件下で使用されています。
耐候性や紫外線への強さから、屋外のデッキ材やフェンス、ベンチ、遊歩道の舗装材として広く用いられています。
また、木目の質感を利用した内装材としても使われ、フローリング、壁面装飾、家具部品などとしても活用。暖かみのあるインテリアデザイン性や、清掃のしやすさ。低メンテナンス性などがメリットです。
木材の廃材をチップ状に加工し、成形材として再利用することを目的とした機器です。タナカカメは油圧プレス機を主に扱っているメーカーであり、金属や樹脂、磁性材料などの粉末プレス成形機の取り扱いも行っている会社です。
引用元HP:三庄インダストリー公式HP
(http://www.sanshoindy.com/)
引用元HP:小林工業公式HP
(https://www.kobayashi-akita.co.jp/)
引用元HP:タナカカメ公式HP
(https://www.came.co.jp/)