金属やセラミックスの粉末成形において、最低限知っておきたい基礎知識をまとめました。プレス成形機の構造、金型の種類、粉末プレス成形のメリットとデメリット、使用される原材料などをご紹介しています。
粉末成形で「成形した製品の強度が足らない、割れてしまうなど、製品の不良品率が高い。」といった声があがることもあります。
粉末成形では、粉末ごとに成形法に微妙な変化をつけなければいけません。
下記ページでは、粉末成形の歩留まりの改善のために、不良品が発生するよくある原因を粉末成形機メーカーの代表に伺いました。ぜひご参考ください。
粉末のプレス成形機は、上下のパンチやダイプレートといった金型と、金型をプレス機に固定するダイセットなどで構成されています。粉末成形機の構造と各部の働きをご紹介します。
雄型とも呼ばれる上パンチ・下パンチは、ダイに充填された粉末を圧縮するパーツです。ダイは被加工材が充填されるパーツで、雌型とも呼ばれます。
精度の高い成形加工を行うためには、パンチとダイを正確に合わせる必要があります。そのため、ダイをプレス機に固定するダイセットのガイドポストを利用して、芯合わせを行います。
粉末成形で使用される3種類の金型と、それぞれの働きをご紹介します。金型の形状はさまざまですが、特注することも可能です。特注に対応するメーカーも、併せてご紹介しています。
粉末プレス成形では、上下のパンチとダイ、コアという3種類の金型が使用されます。パンチは非加工材を圧縮するための雄型、ダイは非加工材を充填するための雌型で、成形体の形状を形作る部分です。コアは、成形体の内部形状を成形するための金型です。
粉末成形に使われる3種類の金型と
特注に対応するメーカーを解説
押さえておくべき粉末プレス成形のメリットとデメリットをご紹介します。多くのメリットがある粉末プレス成形ですが、デメリットもあります。それらをきちんと理解して、製品に合った加工法を選択しましょう。
粉末プレス成形は、精度が高く、難加工材料であっても容易に成形できるという大きなメリットがあります。機械加工の必要が少なく、材料のロスが減らせるのもメリットですが、粉末材料は塊状のものより高価というデメリットもあります。
CIP成形は、材料の加工方法のひとつです。粉末材料を変形抵抗の少ない成形モールドの中に密封し液体を加えることで、その液体に等しい加圧力で方向性なく圧縮成形。全方向に圧力がかかるため、密度が均一で高品質な製品になります。
粉末プレス成形で使用されている材料をご紹介します。粉末プレス成形の主な被加工材としては、金属やセラミックスが挙げられますが、栄養補助食品、菓子の中にも粉末プレス成形が使用されるものがあります。
金属粉を使ったプレス成形は、自動車や産業機械などのパーツに多く見られます。セラミックスは、電気・機械部品、工具に多く用いられます。
また、薬を錠剤に加工したり、サプリメントのタブレット、ラムネのような錠菓の成形にも粉末プレス成形が用いられています。
金属を粉末成形するメリットとデメリットや、粉末成形に使用される金属の種類について、ご紹介します。
粉末プレス成形の代表的なメリットは、融点や硬度が高く加工が難しい金属でも精密な成形を行えることです。こちらの記事では、ほかの多くのメリットと、いくつかのデメリットについてもご紹介しています。
粉末成形に使用される金属には、純鉄粉、ステンレス鋼粉、高速度鋼粉、合金鋼粉、銅粉などがあります。
金属を粉末成形するメリット・
デメリットと使用される金属の種類
セラミックスで粉末成形を行うメリットとデメリットをご紹介します。併せて、粉末プレス成形でよく使用されるセラミック素材についても、ご紹介しています。
セラミックスで粉末成形を行うと、切削や切断といった機械工程を減らすことができます。セラミックスは硬くて脆い素材なので、機械工程を減らせることは大きなメリットとなります。本文では、その他のメリットやデメリットもご紹介しています。
粉末成形では、アルミナやジルコニアなどさまざまな素材が使われます。
プレス成形における焼結とは、金属やセラミックの粉末を圧縮して成形した後、焼結によって粒子同士を結合させる技術です。焼結は成形体を高温で加熱する工程で、粒子間の拡散により空隙が減少し、強度や耐久性などの特性が向上します。焼結は最終製品の性能を決定づける重要なプロセスです。
振動プレスの最大のメリットは、成形品の密度を均一にしやすい点です。通常の油圧プレスでは高い圧力が必要でしたが、振動を加えることで粉末が隅々まで行き渡り、低荷重でも高密度な成形が可能になります。また、未造粒粉や複雑形状の成形にも対応しやすく、幅広い産業で活用が期待されます。
磁場プレス機は、磁石粉末を磁場中で成形することで、磁力の向きを揃えた異方性磁石を製造する装置です。種類として平行磁場プレスと直角磁場プレスの方式のほか、油圧式や機械式、さらにはRIP法を用いた磁場プレス機なども存在します。
熱間等方圧加圧装置(HIP)は、高温・高圧の環境で材料を全方向から均一に加圧し、欠陥除去や緻密化、異種材料の接合を行う技術。1955年に米国で開発され、日本では1980年代後半から産業用途に広く普及しました。アルゴンガスを用いて高効率な熱伝達と均一加圧を可能にする装置です。
粉末プレス成形では、製品の品質を安定させるために「面圧」の計算が重要です。面圧は成形荷重を面積で割った値で、製品サイズに左右されず均一な加圧条件を設定できます。加圧力だけで判断すると製品ごとに圧力が不均一になりやすいため、面圧を基準にすることで精度の高い成形が可能になります。
粉末状となっている金属をプレス圧縮成形や金属粉末射出成形などで成形し、高温の炉で焼き固める「焼結」を経て金属製品を製造するのが粉末冶金になります。粉末成形は粉末状の金属を製品の形に成形することであり、MINは粉末成形のひとつである金属粉末射出成形の略称になります。
引用元HP:三庄インダストリー公式HP
(http://www.sanshoindy.com/)
引用元HP:小林工業公式HP
(https://www.kobayashi-akita.co.jp/)
引用元HP:大伸機工公式HP
(https://daishin-kikou.com/)